8/19のねこさん        文は田島薫

ニケせみハンター


猛暑の昼間、ねこさんたちは夕方ごはんの時間になるまではどっか少しでも涼

しいとこ探して寝てるようなんだけど、ニケだけはたいていわれわれが見に行

ける場所で寝転んでるし、逆にわれわれに会いによくベランダに上がって来る。

そうしちゃ、われわれに、かまってくれ〜、ってなく。

先日の夕方、めずらしくニケが見えないな〜、って庭を見回してると、耳元で

ねこさんの声がするんでびっくりしたら、すぐそばの山桃の木にニケが乗って

たんだけど、一昨日の夕方は、ベランダから、やっぱり山桃の木の上にいるニ

ケが見えて、今度は私に気づいてない模様で、木の上のあちこちを移動しては

どうやらジージー言ってるせみを探してまわってるようだった。


いやいや、やっと涼しくなってきたら、なんか虫さんのないてる声がぼくを呼

んでるように聞こえるね〜、ほらほら、おいし〜ぼくをつかまえられたらつか

まえてごらんよ〜、って、そ〜言われちゃ〜、つかまえてやんないわけにゃ〜

いかない、ってもんだよね、こっちかな、いやいや、ちがうね〜、こっちか〜、

いやいや、そ〜じゃなくて、こっちか〜、あ、いたいた、ぼくが今そっち行く

から、じっと待っててね、つって行くと逃げちゃうんだからな〜、いじわるな

虫さんなんだな〜、じゃ、こっちにすっから、待っててよ〜。


戻る