12/31のねこさん        文は田島薫

寄りそってくれるパネ


先週末の午後、わが家ととなりのアパートとの境に自然に生えて並んだ木の枝を、

高枝ばさみで切ってると、いつの間にかパネがすぐ足元に来てて座って見てる。

むんなんかは、私がそれを始めようとしたとたんにどっかへ逃げってったのに、

パネはなんだか、私がなにかの用で外出てそっぽ向いてると、すぐそばまで来て

こんな風に座ってじっとしてることが多い。じゃ、体もんでやっか、ってさわろ

うとすると、するっとさけて何気なさそ〜に向こうへ歩いて行くんだけど。


お、ここの家の気のきかない方がなんか長い棒持って出てきたね〜、みんな逃げ

ちゃってるけど、逃げるこたないんじゃね〜の?気はきかないけどわるい人じゃ

ないんだから、たまにごはんも出してくれるし、まずいやつだけど。ぼくは逃げ

ないんだね〜、逃げないどころかそばまで行っちゃうんだ、ほらね。だけどなに

やってんだろ〜ね〜こんにゃろ〜は、お、上からなにか落っこってきたね〜、あ

ぶないね〜、あぶないよ〜、気をつけろよね〜、ほら、またなんか落っこってき

た、だめだよ〜、そんなことばっかりしてるんだと、も〜、ちみをひとりぼっち

にして、ぼくは向こ〜へ行っちゃうよ〜。


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