7/10のねこさん 文は田島薫
むんがスタンバイ
夕方、近所のスーパーへ純水をもらいに行こうと思って、私が玄関を出ると、わが家の
雑草のアプローチにむんが向こう向きに寝そべってふり返るカタチでこっちを見てる。
ごはんほしいんか?って聞いても、すましてただこっち見つめてるだけなんで、テキト
ーに目をそらしてからまたそっち見てみると、もう向こう向きであくびなんかしてるん
で、ほっといて、ねこのひたいきゅうり畑に水やったりしてから、さてでかけっか、っ
て出ようとして足元の自転車のスタンドに目をやると、自転車の下の空のごはん容器の
前でむんが寝そべって私を見上げてた。
いやいや、あちかったんだけどやっと少しすずしくなったね〜、ここに寝そべって、ご
はん出るのを待つことにすっかね〜。お、だれか出て来た、ごはん食うかとかなんとか
言ってるんだろうね、そんなこたあったりまえ、だからここにいるんだろーが、って、
そんなこと言ってるまにさっさとごはん出したらい〜じゃね〜の、出したらそっち行く
んだからさ、出したら言ってよね、ふぁ〜い、ってあくびしたりしてるって〜と、おや、
出さないで、他のことしてるね〜、おいおい、ちゃんと言わないとごはん出さない、っ
てつもりなのかな、やれやれ、せわがやけるね〜、めんどーだけどよいしょ、と、こ〜
起き上がって、こ〜、歩いてって、この空の入れもんの前にこ〜してっか、きしょー。