9/12のねこさん 文は田島薫
売店ねこさん
鹿児島に家人と来てた先週の金曜、朝ホテルを出てから城山の展望台に登ったら、そこに
一軒だけある小さな売店の前に茶色いねこさんがわれわれに背向けて座ってた。
ねこさん、桜島をながめたり写真撮ったりしてる何組かの観光客には関心なさそうで、じ
っとしながら、売店をひとりできりもりしてるらしいお姉さんが陳列台を整えてる動きを
片耳で気にしてる模様。家人が近くへ行ってしゃがみ、声かけたりしても、クールに同じ
姿勢のままだった。
さ〜て、うんまいもんくれる人たちが来んのは、まだまだだから、ゆっくりくつろいで待
つことにしよ〜かな。この時間来てる連中はみんな、 わいわい記念写真なんか撮って、お
ねえさんとこでなんにも買わないで帰っちゃうタイプなんだよな、だから、いちいち相手
してたらこっちも疲れちゃうから、あんましそっちの方見ないよ〜にしてんだ。お、なん
にもくれないくせにこっちへ声かけるのが来たね〜、目あわせない目あわせない。置物の
ふりしちゃおー、えー、わたしは置物でごわすよ〜。