12/5のねこさん        文は田島薫

黒とら、おあいそなし 3


先週土曜の晴れた午後、ひとり自転車で食料の買い出しに出かけた途中のねこよこちょう

入口角の家。庭をのぞくとデジャヴのよう、テラス手前の縁台の上に先日と同じように、

黒とらが向こう向きに背中を丸めて足をたたんでいた。ありゃ、おんなじだ、って、思い

ながらそのまま通り過ぎた。前は横向いたりこっち向いたり台の下や手前やいろんな風に

してたのに、これじゃねこ日記ごろしだ、つーの。


いやいや、きょうも少〜し暖ったかいから、この台の上で向こう向いて昼寝、つーことで、

いやいや、まいった、どーして、こんない〜方法にもっと早く気がつかなかったのかな〜、

も〜、あの2人組に気〜つかうこともないし、だれにもじゃまされないでゆっくり静かに

昼寝することもできるし、おばさんがごはんくれる、って時もこっち向いてりゃすぐわか

るし、あれ〜、今気がついたんだけど、道路の方向いてたのは、そ〜しろ、って、きいろ

あにーに言われたのがはじまりだったんじゃなかったかな〜、なんでだったっけかな〜、

ま、いっか、このごろはあにーの方もそのこと忘れてるみたいだし。


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