7/13のねこさん        文は田島薫

グレーグロッキー


急に暑くなった先週末の夕方、水類を買いに近所のスーパーへ出かけた途中の稲荷

神社となりの家の狭い庭。奥の発泡の箱の中でミケのひとりは食事中らしくて、他

のねこさんは、って探してると、手前の垣根の向こう側にグレーが見えた。

よ、って声かけたら、グレーはトロンとした目をこっちへ向けてあいまいに佇んで

る。それをしばらくながめてから、ちょっと手を伸ばして背中を軽くもんでやった

ら、のそのそとなりの小さな門扉を抜けて出て来たんで私の足下来んのかな、って

思ってると、そばをスルーしてとなりの家のガレージのフェンスの中に入って止め

てあった車のわきにドテッって横になって、こちをトロンとした目で見てる。


いやいや、あちーね〜、なんだかあんましごはんも食いたくないし、きょうは、も

〜ごはん残り全部やるよ、って言ったらあいつ喜んでたな〜元気なやつだな〜。

さて、なんだか頭がぼーっとすっから、はやくどっか涼し〜とこ行かないと死んじ

ゃうかもしんない、つってると、あの2人組のひとりがいるね〜、ど〜すっかね〜、

相手してやってるうちに死んじゃう方でい〜のか、相手しないではやく涼し〜とこ

行くのがい〜のか、つったらぜひ相手しない方で行こー、ってことで、ぼくにはだ

れも見えません、ど〜したんだろ〜なんちゃって、って感じでこっちの方歩いて行

って、お〜、ここだここだ、涼し〜とこは、あっちにぼーっとだれかが立ってるの

は、なぜかぜんぜん見えませんね〜なんちゃって。


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