4/15のねこさん 文は田島薫
黄とらとシック
先週の中ごろの午後、家人と自転車で駅前のスーパーへ食料の買い出しに行く途中のね
こよこちょう入口角の家の庭。ふたりでのぞくとテラスのテーブルの上にねこさんのシ
ルエットが見えるんで手をふってみたんだけど、どうやらシックじゃなくてきょとん、
ってこっちを見てる模様。テラスのそばで家の奥さんがなにか庭仕事してて、こっちに
気がついたようなんだけど、一仕事済ませたらしい時にそのねこさんをひょい、と抱い
てこっちへ持って来た。ねこさんどうやら黄とらで、きょうは妙にお行儀がいい、それ
は飼ってる方のねこさんですか?って聞くとそうだ、って、なんだ、黄とらは飼いねこ
だったか、話してると奥さんの足下を向こうからシックが歩いて来る。で、あっちはの
らで、皮膚病で可哀想なんで外でえさやってる、って、前回と同じ説明してくれた。
や〜、気持ちい〜ね〜、きょうはとらあにーといっしょの日なたぼっこだけど、あに〜
に、いつもおせわんなってるから、つって高い方の台ゆずって、ぼくは下だけど、ほん
とは、ちょっと暑い台の上より下の方が居心地いんだよな、ま、それはヒミツにしとい
て、あにーをもちあげちゃうぼく、ってやる〜、てなこと言ってると、向こうでだれか
手上げてるね、またあの二人組か〜、あり?あにーに手上げてるんか、なんだ、せっか
く、おーす、って言ってやろーと思ったのに、あにーは返事しないね〜、そ〜気安く返
事しないとこがあにーのかっくいーとこだね、あり?おばさんにあにーが抱かれちゃっ
たぞ、おっかしーな、ぼくはおばさんに抱かれたことないんだけどな〜、お〜い、おば
さーん、ちょっとちょっと、ぼくも抱いてくれ〜、ぼくもぼくも。