11/25のねこさん        文は田島薫

日向ぼっこ


秋晴れのきのうの午後、近所のスーパーへビールを買いに出かけた坂の上、帰りに回っ

て来る稲荷神社の方を見ると、そばの家の奥さんが枯葉を掃いているのが見えた。

帰りに両手に水やビール持って通ると、奥さんはいなくて、きれいになった道があって、

神社のとなりのその家のアプローチへの階段に白地に茶の毛のねこさんが丸くなって、

全身に西日を浴びて目を細めてた。そばに立って、しばらくながめながら、よ、とか、

おい、とか声かけてみたんだけど、全然こっちを見ようとしないで同じ姿勢。ゆっくり

歩き去りながら後ろふりむくと、ちらっと、こっち見た模様。


や〜、ごはんもらったし、おばさんがここらをきれいにしてくれたね〜、これだと、な

んだか、ぼくがお日さまひとりじめ、って感じでわり〜ね〜、いや、しかし、気持ちい

〜ね〜、ぽかぽかあったかくて、お日さまひとりじめ〜、ひとりじめ〜、つってると、

あの2人組のひとりがまた来たよ〜だね〜、目〜合わせるとめんど〜だから、合わせな

い合わせない、合わせないけど、お日さまのじゃますんじゃないぞ、こらっ、お、一応

こっちが影んなんないよ〜によけてくれてるじゃん、よしっ、両手になんか持ってるよ

〜だから、なでられる心配もなし、ほっといてもだいじょ〜ぶ。後はさっさとあっちへ

行ってくれれば満点。お、行った行った、これで、満点のお日さま。


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