3/22ののらねこ         文は田島薫



寒いし雨まで降って来ちゃって、ドア前の皿には朝1のシャンさんが入れたエサが

そのまま残っていて、お客さんの姿は見えなかった。

昼前にネギを買おうと思い(そんなこたーどーでもいいっ)、ドアの外へ出ると、

久しぶりに、まだらが来ていて、知らないうちに先客が平らげた皿に残っていた少量

のエサを食べようとしていたので、たっぷり足してやった。


寒いっていって窓なんかも閉めている間にけっこうお客さんの出入りが多そうだ。

そういえば、先週末はとら、バットマンにまだら、若白、新人のチャトラとクロ、と

大量のお客さんが入れ代わりで立ち寄って来たのを、ガラス越しや後ろ姿やシャン

さんの報告やらで知り、ドアを出るたんびに空の皿にエサを入れた。


多分春になって、活動的になって来た彼らに、こっちも遭遇することが多くなってる

もんで、そのたんびに、エサ食べにおいで、って呼び掛けているのを彼らの方も

そんなに言うなら、食べに行ってみるか、ってちゃんと受け止めてくれているせい

じゃないかと思っている。


言われたそん時は、隣の建物のベランダの上や、ねこけもの道の塀の上を行きかけた

向こうの方でちょっと立ち止まり、あんまり関心ないようなふりをして無表情でただ

じっとしてるだけなんだけど、こっちがひっこんでしばらしてから、そんなに腹へって

るわけじゃないんだけどちょうど用事でそばを通りかかったついでだから、って

言いながらやって来るのだ。


まてよ、ほんとに彼らは気を使ってくれてるのかも知れないな、みんな肥満げだし。

今度から、エサすすめる時、もしよろしかったら、ってつけ加えよう。


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