1/5ののらねこ         文は田島薫




朝来ると、元旦に来ていっぱいにしておいたエサはさすがに空になっていたけど、

お客さんの姿は見えなかった。

一応いつ来てもいいようにエサを入れておき、昼過ぎに見てみると、エサは少し

減っていて、下の斜向こうの家のベランダのいつもの座ぶとんの上にブラウンが

まるくなってぐっすり寝ていた。


また2時間後ぐらいに外へ出てみると、皿のエサは全部なくなっていて、階段わきの

となりの建物のベランダに若とらがいて、こっちに気づいて逃げるようなそぶりを

していたので、おうエサ食べた?って聞いてみたら、ちょっと落ち着いたようだけど、

食べたことをアピールするつもりなのか、すこし口を動かして見せながら、相変わらず

こっちをにらんでいた。

ブラウンはちょっと離れたとなりのベランダでまだぐっすり寝ている。


ちょっと買物をして戻って来たら、若とらは落ち着かない様子で同じ場所にいて、

またこっちをにらんでいる。

ブラウンはちょっと離れたとなりのベランダでやっぱりぐっすり寝ている。


若とらにエサもっと食べたら?ってちょっと言ってみたけど、やっぱりにらんでいる。

会話して、わりあいなかよくなれた気がした私は事務所の中へ入った。


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