4/19ののらねこ 文は田島薫
朝出勤すると隣の建物のベランダでブラウンが寝ていた。こっちのベランダから体を伸ばして、ちょっちょっ、って呼んでみると、すぐに首を
持ち上げひねってから、眠そうな目でこっちをじっと見ている。
上がって来いよ、って言ってみると、何でよ、って顔をして(前にも同じこと書いた)
から、また同じ姿勢に戻った。
ドア前の皿は空のままだから、朝1のシャンさんも他のお客さんに会ってないんだろう、って思いながら、しばらくして彼に聞いてみると、ちょっと前にくろとらがドアごしに
ベランダの奥の方へ行くのが見えた、と言った。
私もエサを出すのを忘れてたった今出したとこだったので、1時間ぐらいのエサ皿空白期間に来て、ありゃ、エサあると思ってたのにー、これじゃやせ細って死んじゃうー、
って、悲観しながら肥満の体を移動させていたのだろう。
なんで彼がベランダの奥の方へ行くかというと、テリトリーの見回りということと、ベランダの排水溝でしっこや、んこをするためだ。
見かけはこわもての乱暴者風だけども、実は努力家で繊細なきれい好きでもあるのだ。
先週末はめずらしくまだらの兄弟の慣れてない方がやって来て、少し開いてたドアからちょっと中へ入ろうとしてるとこに私と出会い、彼は慌てて階段を駆け下りて行った。
こんな風にここんところわれわれとお客さんとのつきあいは秒単位なのだ。